Webマーケティングの部署では、日頃業務を行いながら部署として運営をしていくという視点が大事になります。
例えばセールス部のミーティングがあるように、マーケティング部でも定例会議というのを行う必要があります。そこで十分な話し合いや確認を行うためには、日頃からルールに則った「部署運営」という視点が大事になります。
そこで今回は、Webマーケティング部署の運営で気にすべきチェックポイントについて、いくつか挙げていきたいと思います。
マーケティング部署の役割を明確にできているか
一つ目は、マーケティング部署の役割を明確にできているかという観点です。
マーケティング部所では一般的に、新規顧客の獲得や既存の顧客へのアプローチといった、「顧客に対して、商品をどのように認知して認知させリードにつなげていくか」という観点で全ての仕事が行われます。
ただマーケティング部自体が最近できたり、マーケティング部署の人数が増えていたりすると、その役割が曖昧になっているケースが多くあります。
一般的には、リードの創出としてセールスに引き渡すまでがマーケティング部の役割とされています。
ただ、このマーケティングとセールスの分担も会社によってまちまちです。
マーケティング部が契約兼ねているケースも実際にあります。
しかしながら、今後外部とやり取りをするためには、一般的な基準に合わせないと会話が成り立ちません。
「マーケティング部はここまで、セールスはここから」といった線引きを行うことが大事になります。線引きを行うことで、目標の立て方や数値の決め方また部署ごとの業務量の把握が容易になります。
自社商材の特性について社員が理解できているか
二つ目は自社商材の特性について社員が理解できているか、です 。
BtoBのマーケティングでは、無形商材つまりコンサルティングや研修コーチングやソフトウェアなど無形商材を売るケースが多いと思います。
この無形商材は目に見えないぶん、社員がその特性について正確に理解することが難しくなります。
会社に何年もいるのに、実は自転商品の特性についてあまりよくわかっていないという社員もいるかもしれません。
マーケティングを行うに至っては、顧客に対して、自社が解決しうる業務課題を共有する際に商品理解が絶対に必要になります。
商品への深い理解があってこそマーケティングが可能になるわけですから、社員が自社商品の特性について100%理解できているかが大事です。
それと同時に、その商品が解決する社会的業務的課題も合わせて知っているか。これを確認するようにしてください。
自社商品の顧客行動について理解することも必要です。
お客については何となく理解しているけれども、顧客像についてはどうでしょうか。
顧客像とは日頃どんなことを考えていて、どんなことに問題意識を向けていて、どんなことに行動しているか。
マーケティングのプロセスにおいて、「カスタマージャーニーマップ」というものを描いて顧客像を分解していくのですが、その際に必要になるのが顧客理解です。
「日頃その顧客がどんなことを考えながら、どんな行動をしているのか」。
これをありありとイメージできなければ、効果的なマーケティング施策を打つことが難しくなります。
なんとなく「うちの商品は中小企業向けのサービスだ」とか「うちのコンサルは大企業の人事部向けのサービスだ」のように曖昧に顧客を規定しているとだめです。マーケティング活動を行う上で、あいまいな対象に対して曖昧なことを行ってしまうということになって効果が半減します。
商品の顧客ペルソナについてありありとイメージできるか。
これを社員一人一人がイメージできるかここまで共有することが大事です。
マーケティング部のゴールについて社内共有できているか
マーケティング部のゴールについて社内共有できているかという観点も大事です
新規顧客に対し、自社の商品の魅力や解決する課題を伝えて、セールス部との初回商談に繋げる。
これがほとんどの会社の無形商材におけるマーケティングのゴールだと言えます。
契約ではなく初回相談までをひとまず実現し、後はセールスにお任せするというのがマーケティング部のゴールの目標の立て方です。
ただ、この初回商談というのも実はあまり共有できていないケースがあります。
なんとなくホームページを更新しており、何となくセミナーをやっているだけで
・マーケティング部が何に向かって活動しているのか
・そして会社全体が何に向かって動いているのか
これらを把握してないケースがあるんですね。
マーケティングは日頃の業務が複雑になっていて細かい作業が多いぶんこうした当たり前のことを忘れてしまいがちです。
注意してマーケティング部のゴールを会社全体で規定しておくことが大事になります。
マーケティング部に不要な雑務を押し付けていないか
マーケティング部に不要な雑務を押し付けていないか。これについても合わせて必要になります。
もしマーケティングのゴールが決まっていて、その例えば初回商談に客を呼び込むために様々な施策がある場合には、無駄なものから減らしていきます。
あまり効果的ではない施策はカットし、効果のある方法に集中することが大事です。
一般的にマーケティング施策というのは、SEOや広告を中心に主要なものがいくつかあります。それらを一つやるだけでも十分な時間が必要になります。
特に初めてマーケティングにチャレンジしたり、最近マーケティングまで来たような会社は、担当者のスキルを上げることも同時並行で進めていかなければいけません。
決して、雑務を押し付けるような余裕はないわけです。
無駄なイベント出展はしていませんか?
無駄な展示会出展をしていませんか?
無駄なセミナーに時間を取られていませんか?
担当者は客が来なかったとしてもそれなりの時間を取られます。
その時間でマーケティングの学習や研修を受けていれば、もっと短期間で成果を上げられるようになっているかもしれません。
雑務を押し付けることで、マーケティングの成長、さらには会社全体の成長を阻害しているということを意識してください。
2年計画で見られているか
続いては、2年計画で見られているかということです。
現場でのWeb マーケティングには成長ステージがあります。
部署ができて、担当者が育成され、部署としての体制が整い、行った施策が徐々に顧客の認知を得て、継続的に新規顧客を獲得できるようになる。
ここの領域に至るまでどうしても何年かかかるというのが実情です。
マーケティング部隊を作ったからといって、1ヶ月後にいきなり顧客がザクザク取れるようになるというケースはありません。これは短期施策のWeb広告に多額の費用を突っ込んでも同様です。
最低でも2年、一般的には3年の長期計画を立てた上で、人材育成の観点も視野に入れながら、温かい目で長い目で見守っていくという視点が必要です。
そもそも、Webマーケティング部を作るに際して、既存の紹介営業やテレアポでは得られなかった顧客にリーチしたかったはずです。
これまでの対面営業等で届かなかったところに手を伸ばすわけですから、それに必要な時間は新しい尺度で考えていくという意識が必要です。
仕事への向き合い方を評価できているか
続いては仕事への向き合い方を評価できているかという点です。
マーケティングというのはどうしても数字が明確に出るぶん、成果が出る出ないというのがはっきりする部分があります。
ただ、だからといって短期的な数字ばかりに気を取られてしまうと弊害もあります。
成果が出ていないからじゃあこの施策はもう中止だというのを繰り返してしまうとどうなるでしょうか。
担当者はいつまでも成長の実感が得られないまま、社会人/担当者としての経験を積めないまま時間を過ごしてしまうということになります。
これは本人の「自信」を失わせます。
「もう少しやっていたら何か得られたのに」という部分で撤退してしまうことで、得られるはずだった知見や成長のチャンスを失ってしまうということになってしまいます。
大事なのはすぐに成果を求めることではありません。
まずウェブマーケティングで成果を出すまでに、どれぐらいの期間が必要かを知ることです。そして、どれぐらいのスキルが必要か、担当者は日頃どのように行動すればいいのか。
そもそもその成果とは何なのか。
これらの”最適解”を学ぶことが先決です。
その最適解を知った上で、正しいモデルに合わせて行動できているかを評価するという観点も必要になります。仕事への向き合い方を評価する、とはこのことです。
実際には、目標の立て方、具体的にはWeb マーケティングで重要なサイト制作やコンテンツ制作に対して正しい目標設定のもと、行動計画を立てて着実に実行できているかをみます。
この視点から社員を評価するだけで、大きく変わってくるでしょう。
会議の目的をはっきりできているか
続いては会議の目的をはっきりできているかという観点です。
組織が大きくなると、会議がどうしても増えます。
一言報告だけで終わるような会議に時間を取られてしまい、社員がなかなか業務を進められないということが起きてきます。
無駄な会議は減らすべきですが、マーケティングにおいては会議を減らすぶん、1回の会議の精度を徹底的に高めることができます。
私たちの研修でも、このマーケティング部の会議そのものを非常に重要視しています。
マーケティング部の会議では一般的に週1時間程度日頃行っている広告やセミナーコンテンツ企画の実施状況について数値を報告するという会議を行います。
マーケティング定例会議を曖昧に行ってしまうと、全員の時間を無駄にしてしまうということになりかねません。
会議は1時間で事前に議題を共有し、必要なことだけを最低限報告してさっと終わる。
この理想の会議を作るために、どんな準備が必要か。どんなデータ分析が必要か。これを教えることで会議への向き合い方そのものが変わります。
会議への向き合い方そのものが変わると、週40時間の業務の中で仕事のやり方も大きく変わります。
この「会議を改善する」というのも部署運営の視点として持ってほしい観点です。
教材や本をやみくもに与えていないか
続いては闇雲に教材や本を与えていないかという点です。
担当者の勉強のために、闇雲に本を与えるというのはかえって逆効果です。
これはマーケティング特有の事情です。
マーケティング(ウェブマーケ)の分野というのはまだジャンルとして輪郭が定まっておらず、年毎に内容が変わりやすいジャンルだからです。市販されているマーケティング本のほとんどは内容が古くなっていますし、前提となっている考え方も異なります(多くがBtoCの消費財を想定して書かれています)。
これは営業や経理といったジャンルが確立している部署とは大きく異なるという点を意識してください。
そのため、「そもそもマーケティングって何?」「人によっていうことが全然違うな…?」という、”基礎”がない状態で最新情報をむやみに与えてしまうと担当者が混乱するという事態が起きてきます。
担当者は情報に振り回されるばかりでいつまでも基礎ができず日頃の業務を圧迫するだけで時間が過ぎていってしまう。
そのためやみくもに教材や合同研修を受けてしまうと、担当者が混乱します。そのため、最初に丁寧に土台を作る作業が大事です。これは、自社の商材に応じた専用の土台を作る作業が必要になります。
広告代理店への費用を育成費に回せないか
最後に代理店やコンサルティングの費用が有効に生かされているかという点にも注目してください。
Web マーケティング部署が出来たばかりの頃は制作リソースやノウハウがないから外部の広告代理店制作代理店に丸投げをしがちです。しかし、これが最も間違いのもとです。
確かに成果や制作リソースが手に入りますが、それは一時的なものです。
代理店は低いフィーで何ヶ月もやってくれるほどお人好しではありません。1000万円以上の広告費を用意できていれば話は別ですが、そこまでの費用は払っていないと思います。
数ヶ月経てば、手を抜き始めますし、担当者も経験の浅い若手社員に挿げ替えられます。
するとお互いノウハウがないまま何となく予算だけが消化されていく。
そんな悪夢の状況が起きてしまいます。
このため安易に代理店に丸投げをすることはお勧めしません。
長い目で見て社内にノウハウを残していく社内の人を育てていくという観点から代理店に使っている費用を社員の育成に回せないかという視点を持つことが重要です。
体験セッションの募集について
以上、 Webマーケティング部の運営で気にすべきチェックポイントについて、経営者部署責任者としてどんなことに気をつければいいのかについてお話をしてきました。
Webマーケティング担当者育成プログラム「アクティビスタ®︎」で、はこうしたマーケティング部マーケティング部所全体の構築についても合わせて進めていきます。
興味をお持ちの経営者、マーケティング責任者の方。
初回の体験導入の中でこうした部署運営についてのセッションを行いますので、ご興味がある方はぜひ問い合わせフォームからご連絡ください。