デジタルマーケティング

ウェブマーケティング部署の運営ルール〜社長/部長が知っておきたい鉄則

こんにちは。メディア・コンフィデンスの早野龍輝です。

今回はWebマーケティングの部署を運営するにあたって、社長やマーケティング部長・責任者の方がどんな視点から部署運営を行えばよいのかがテーマです。

部署運営とは簡単に言えば、マーケティング部としてどんなことを大事にして、メンバーたちに意識を植え付けるかという点です。

今回はその「運営の鉄則」についてお話をしていきたいと思います。

マーケティングの分類を知る

1つ目の鉄則は、マーケティングの分類を知るということです。

皆さんがマーケティングという言葉で言っている、そもそもそれって何を指すのか?
マーケティングの範囲、分類をはっきりさせておく必要があるんですね。

マーケティングと混同しやすい単語としては、
・PR(パブリックリレーション)
・販促
・セールス
など近い単語がいくつかあります。

これらとマーケティングを混同していませんか?

また、マーケティングとは何かについて知ると同時に、さらに言うと
・マーケティングとは何か
・そのうちWeb マーケティングとは何か?
・そのうちデジタルマーケティングとは何か?
についても大まかに分類を知っておく必要があります。

世の中に、マーケティングの本というのはたくさん出ております。
けれども、実はそれぞれの立場によってこの分類というのが違っているのです。

日本中どの会社にも完全に当てはまるマーケティングの分類というのは残念ながらありません。

ということはつまり、各自が分類するしかないのです。

自社の商材をある程度理解した上で、うちの商品にとってマーケティングとは何を指していて、 Web マーケティングとはどんな部分を指しているのか、デジタルマーケティングが行う場合は何が必要なのか。

自分達で考えたり、詳しい人にアドバイスをもらうというのが必要になってきます。

この分類を知るだけで、部署運営や、部署内のコミュニケーションも円滑になります。

セールスの分担を明確にする

経営会議などでセールス部から「マーケの活動が足りていないんだ!」と言われることがあります。
その際、それは果たして本当にマーケティング部の責任なのか、それとも会社としてそもそも体制ができていないのかを考えてみることが必要です。

ここで必要なのが、会社の中でのマーケティングとセールスの役割分担です。
業務として、役割分担、分類がはっきり認識されていないと難しいわけです。

それには、マーケティングという言葉を使わずに説明しなくてはいけません。

部署以外の人でもわかるよう、マーケティングとは何なのか、マーケティングの中のどんな作業を担当しているのか、どんな行動の集合なのかを言語化しておく必要があると思います。

では、セールスとの分担を明確にするためにどうしたらいいか。
ヒントになるのがカスタマージャーニーマップです。

マーケティングにおいては、カスタマージャーニーマップという言葉で表される一枚の図が有効になります。

これは想定顧客がどんな行動をたどって、最終的に顧客になっていくかを、図に整理したものです。

マーケティングとセールスの分担を行うにあたっては、このカスタマージャーニーマップにおいて、マーケティングの初期段階で起きる「認知」「興味」といった初期フェイズから徐々にセールス段階である「契約」「アフターフォロー」に推移していく様子を整理しておくことが必要です。

顧客が変化していくまでのプロセスを明確に書き出したうえで、「マーケティング部はここまで、セールス部はここから」といった役割分担を明確にします。

ただし、できたばかりの会社だとこの分担が曖昧です。

マーケティング担当者が契約書のやり取りまで行っていたりだとか、セールス部がセミナー企画をしていたりとか、役割が曖昧なままになっています。

責任範囲が不十分であり、結果的に社内にノウハウも蓄積されないという課題が生まれています。

この分担を明確にするというのも非常に重要な観点だと思います。

セールスの分担を明確にする

3つ目は、新規の顧客獲得までのフローを描くということです。

新規の顧客獲得について、皆さんは顧客獲得フロー図というのを買いたくことがあるのでしょうか?

フロー図はいくつかの要素で成ります。

まず、会社全体として1つのゴールを設定します。
大抵の場合は「初回商談」ではないでしょうか。ソフトウェア業やリース業であれば「初回導入」かもしれません。
初回商談までいけば一定の確率で契約するのであれば、初回商談を月何件とればいいかを考えます。

次に、経路を書き出します。
その初回商談までにどんな道筋が考えられるのかをリストアップします。
紹介から初回商談に至ることもあるでしょう。
セミナーへの参加もあるでしょう。
たまに、ホームページからの問い合わせもあるかもしれません。

このように、新規の顧客獲得までのフローにおいて存在しうるパターンをできるだけ書き出していくことです。

書き出してみると、実はお互いが知らなかった獲得のフローというのも浮かび上がってきます。

フローを描いて共有することで、まず抜け漏れがないかをお互いが共有することが必要です。

その上で、フローのなかのどの経路を強化していくかを考えていきます。

これが、マーケティング部署において非常に重要なプロセスになります。

土台を作って目標を立てる

4つ目は、土台を作って目標を立てるということです。

土台がないのに数値目標を立ててはいけません。

通知目標というのは先ほど出てきた。新規顧客獲得フローにおいて必要なものです。

「初回商談を、月何件用意するか?」これを決めたときに、
「ではそのために、セミナー参加を何件めざすか?」
「そのために、ホームページからの問い合わせを何件進めるか?」
これを一つ一つ決めていくプロセスがあります。

ただ、この目標を立てるというのは、あくまでフロー図やカスタマージャーニーマップといった土台があってこそ、初めてできるようになります。

土台がないのに闇雲に目標を立てていませんか。

根拠がないマーケティング目標は無意味です。
これでは頑張りようがありません。

土台を作った上で、根拠のある数値目標を立てていくということが必要になります。

ただ、実際にはその数値はわかりません。

・セミナー参加者の何パーセントが初回相談につながるのか?
・ホームページはどれぐらいの閲覧数があれば1件の問い合わせがあるのか?

これを即答できる経営者は少ないといえます。これは可能性や確率の部分です。

実際の社内のデータを得ることができなければ、目標を立てることができません。

そのため、各チャネルの大まかな実数を把握した上で、今後の目標を立てていくということが必要になってきます。

ノウハウやコンテンツを残すという目線を持つ

最後にノウハウやコンテンツを残すという目線を持つということが大事です。

マーケティング部署においては、今後このマーケティング部にもノウハウというものを蓄積していくことが必要です。例えば月何回どんなテーマのセミナーを行えばどれぐらいの集客があるのか? そのセミナー集客は無料ではどれくらい集まって広告を打てばどれぐらい集まるのか?

これらは会社ごとに大事なノウハウとして日々蓄積されていきます。

事業のノウハウとは別の、マーケティングそのもののノウハウというものを会社に残していかなければいけません。

マーケティング部の担当者が入れ替わったり、新しい社員が入った時にも同じことを繰り返せるよう、部署としてノウハウ、やり方、目標設定、数値や大まかな予算ラインを残しておく必要があります。
ノウハウを残さず、何をやるにも毎回ゼロからスタートしていたら、無駄が発生してしまいます。

>コンテンツを残すという目線

同様にコンテンツを残すという目線も大事です。

セミナーをやりっぱなしにしていませんか?

例えば、自社セミナー時に使ったスライドがあったとしたら、コンテンツとして残せないかを考えるべきです。

他の人が同じようにセミナーをやる時、すぐに使える状態にしてあるか?
セミナーの様子を写真に残しておいて、次回セミナーを募集する時にその写真を有効に使えないか?

これらが「コンテンツを残す」という目線です。

部署としてこの共有体制をはっきりさせることで、 1 つ 1 つの物事を進める時の無駄がなくなります。
ちょっとしたことで結果的には大きな差が生まれてきます。

ノウハウとコンテンツを残し、残すためにひとつの物事をやりっぱなしにせず、記録したり保存したりする。共有する。
この目線を忘れないようにしたいものです。
社員にも徹底させましょう。

以上、部署運営においてマーケティングの鉄則をお話ししてきました。

なお、目標設定や人材、育成の共有などを細かい部分についてはより進んだ話がありますので、別のところで解説していきます。あわせてご覧ください。

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