マーケティング担当者にデザインのセンスがない #デジタルマーケの現場課題
デジタルマーケティングの現場で生じるさまざまな課題。
現場の実際の声をもとに、その問題の原因や解決方法を一緒に考えていくのが「#デジタルマーケの現場課題」シリーズです。
今回の課題はマーケティング部長にある、「マーケティング担当者にデザインのセンスがない」という悩みについて考えていきます。
画像制作をする機会が多い
デジタルマーケティングの現場では、画像のデザインをする機会が実にたくさんあります。
・広告のバナー画像
・ランディングページのヘッダー画像
・SEO記事のアイキャッチ画像
などですね。
これらのすべてをデザイナーに外注していると、とてもではないが予算を圧迫してしまいます。そのため、できれば担当者にそのデザインの一部を任せたい、と考えているマーケティング責任者も多くいるのではないでしょうか。
ただいきなり任せられるかというと不安要素があります。
どんなものが上がってくるか分からないし、そもそもデザインソフトがどれくらい使えるのかもわからない。こんな状況では、依頼しようにもできませんよね。
一方で画像を作る機会の多さから、いつかは担当者が自らデザインを作れるようにならないと回らないだろうなと感じているかもしれません。
機会を見て、担当者にデザインスキルを習得させる必要があると思います。
ではこの場合、不安要素として何があるか。
これ単純です。デザインを任せた時に、上がってきたデザインがダサかったりセンスがなかったらどうすればいいのかがわからない。
これが担当者に任せようには任せられない原因だと思います。同様に、センスがないと思った場合の対処法を知らない事が不安の原因なのではないでしょうか。
担当者も責任者も、どちらもデザイナーではないわけです。「ダサいことは分かるけど、どうすればダサくならないのかはわからない」これが最も怖い状態ですから、この状態は避けたいですよね。
そこで今回は、こうした担当者にデザインのセンスがない場合の対処法と、デザインのセンスがなくても一定のデザインを作るためのコツについて解説していきます。
担当者のデザインセンスがないと感じる原因
「センスがない」と感じる原因はどこにあるのでしょうか。
実は、広告バナーに限って言えば、センスがないと感じる要因はいくつかの要因にしぼられます。
それが
・色使い
・フォント使い
の2つです。さらに色使いを細かく分けることができます。それが
・背景の色使い
・文字の色使い
・枠の色づかい
の3つです。
センスがない要因をこのように分解して、それぞれの対応策を見つけていく。こうすれば、センスがないからどうしようもない状態から脱却できるわけですよね。
ではこの色やフォントを使うために、担当者はどのようなスキル習得をすれば良いのでしょうか。
広告バナーを学習するための、最短の方法があります。広告バナーに限って学習するための方法をお伝えします。
広告バナーづくりを学習する最短の方法
最短の方法は、画像一枚を5つの要素に分けて分析 する視点を持った上で既存の広告バナーをモデリングしていくことです。
平たく言えば、デザイン的な視点を身につけた上で、他社の広告バナーを分析していけば、自然と上手くなるということです。
画像一枚を5つの要素に分けるとはどういうことでしょうか。
画像を立体的に捉え、 背景の要素と素材の要素と 文字の要素 そしてそれらを保管する細いデザインの要素に分解していくことです。
現在のBtoB業種における主要な広告バナーは、 背景画像の上にメインとなる人物素材や物の素材があり、 その上にキャッチコピーなどの文字が載せられています。
画像1枚を一枚として捉えるのではなく、この複数の要素が重なり合った画像として捉えること。それらの画像が、デザインソフト上でどのように組み合わさっているのかという目線を持つこと。目線を持ったならばそれを自らの手でデザインソフト上で再現できること。
担当者の脳内でこれらの条件が満たされることで、 後は既存のデザインを学べば学ぶほど自らのスキルを高めることができるようになります。
つまり、センスは不要で、観察力があればOKということになります。
一定のトレーニングによって、この観察力=分析力を身につけることができれば、あとは担当者がひとりでに育っていくことができます。元々のデザインセンスやデザインソフトの技能がなくても問題ありません。
「見方」がわかればあとは勝手に成長する
こうした観察力があると、日頃から他社のSNS広告を眺める目線も変わります。
日頃から Facebook や Instagram などで他社の広告を目にする機会があるはずです。
一度この分析の目線を持っておけば毎日目にするあらゆる広告を常に分析する目線で見ることができます。「この色使いはいいな」とか、「この背景の作り方は綺麗だな」とか、「このフォントの選び方は珍しいな」といった観点で、あらゆる広告画像を見ていくことができます。
結果、担当者は急速に成長することができます。そして主要なパターンを学習することができるようになります。
主要なパターンとは何かというと、セミナーや資料請求など、目的に応じた広告バナーのパターンです。
セミナー募集のバナーであれば、人物の画像がどこにあって、どれぐらいの文字量でどんな情報がひとまとめになっているのか。
資料請求のバナー広告であれば、資料の表紙やタイトルをどのように見せているのか、ページ数をどのように表現しているのか。
このように、それぞれの広告バナーの種類に応じて、大まかにテンプレートというものが学習できるようになります。
テンプレートとは
テンプレートとは何かと言うと人や物の位置と文字の位置、その他情報の位置が標準的なバランスで配置されているデザインの元です。他社のバナー広告を見るだけで、 それらを様子で分解し自社にも使えるテンプレートとして残せるようになります。
他者を参考にするとどうしても似てしまうという懸念点があるかもしれませんが、テンプレート化して、自らがデザインソフトで一から作れるようになると、違いというのは必然的に生まれてきますから、全く同じになるという可能性はほとんどありません。
こうしてデザインセンスがなかった担当者も、自らが日頃から集めているデザインのテンプレート例をもとに、広告が必要になったタイミングで即座にデザインラフを作ることができ、しかもそれが一定のクオリティを保っている状態を実現することができます。
このレベルまで来るのにそれほど時間は必要ありません。
大事なのは既存の広告を分解するための観察力を授かることだけです。
担当者が学ぶ機会を得ていなかっただけ、と考えよう
以上、マーケティング部長にある、「マーケティング担当者にデザインのセンスがない」という悩みについてヒントを解説してきました。
責任者側も、「担当者がうまくデザインできないのは、素質のせいだ」と考えるのではなく、「学ぶ機会を得ていなかっただけなのだ」と考え直すことで、新しい可能性を開くことができます。
実際にはAdobeのIllustratorやPhotoshopというソフトを使います。これらはのソフトを使いながらすぐに使える広告バナーを作れるようになるレベルになるためには、経験者からマンツーマンで習うことが最善の方法です。
1日でも早く、自社のマーケティング担当者にデザインスキルを授けるために、できることをやっていきましょう。
なお、弊社でもこうした、デザイン未経験の担当者がAdobeのソフトを使って広告をサクサクと作れるようになる状態まで育成することができます。
お問合せをお待ちしております。
